枠組足場の資材を選ぶときは、寸法に気を配りましょう。またインチとメーターのように、規格の違いにも注意してください。とくに施工事業を始めてから間もない事業者は、寸法の予備知識を踏まえながら、慎重に足場の資材を選びましょう。
今回は足場関連の寸法を学びたい方のため、その全容を解説します。これを読めば足場の寸法の意味が分かり、資材の選定につながるでしょう。
1.枠組足場の2種類の規格「インチ」と「メーター」
枠組足場の規格は2種類あり、インチとメーターです。それぞれ背景があるので、違いを比べましょう。ここでは足場材における各規格の成り立ちを考えます。
1-1.インチ規格
枠組足場のインチ規格とは、アメリカからの輸入当時から続く基準です。アメリカでは長さを測るとき、インチが主流でした。しかし日本ではあまりなじみのない単位でしょう。
枠組足場のルーツを踏まえ、関連事業者にはインチ寸法を示す場合があります。国際的な基準として1センチ=0.3937007インチです。センチやメートルに置き換える場合は、以上を参考にしましょう。
1-2.メーター規格
足場を扱う事業者によっては、メーター規格を使うこともあります。メーターやその下位であるセンチの方が、日本人にとってなじみがあるでしょう。以上の単位は、キリのよい数字にもなりやすいといえます。
また枠組足場はインチ規格よりも、メーター規格採用の方が物流コストがお得とされます。足場販売やレンタルを扱う場合は、メーターやセンチで数字を示す業者がいるほどです。このようにインチだけでなく、メーター規格も建築業界で重要とされます。
1-3.インチとメーターの違い
インチ規格とメーター規格の違いは、文化的背景とされます。アメリカではヤード・ポンド法で長さを示すのが主流です。その影響でインチ規格が生まれました。
しかし日本では、センチやメートルが好まれやすいといえます。1885年に日本は、メートル条約に参加しています。これはフランス国内でメートル法以外の単位使用を禁止するもので、1875年に国際間で結ばれました。
国による文化的背景の違いから、建築業界で2つの規格が使われています。
2.足場の寸法を決めるときの注意点
足場選びでは寸法が大切です。まずはインチとメートルを相互に結びつけた早見表を手に入れましょう。このデータは、理想の寸法決定に役立ててください。ほかにも施工状況や安全性の観点から、寸法を慎重に考えましょう。ここでは寸法決定における注意点を、3つ紹介します。
2-1.目安表を覚えておこう
まずは目安表の入手です。メートル規格では、1メートルが約39.37インチとされます。店頭やオンラインショップでインチ規格を見たときのため、早見表と電卓を用意しておきましょう。寸法について不安があるなら、店員への問い合わせもおすすめです。
足場によっては、長さや高さ、幅などに小数点がついているかもしれません。建築現場では、キリのよい数字だけで通用するとは限らない点に注意です。周囲に迷惑をかけないで、適切な施工環境を作るためにも、足場材は正確な寸法が欠かせません。
その意味でも足場を使い始めて間もない業者は、早見表に慣れておきましょう。
2-2.足場の寸法によって施工状況が変わる
足場の寸法によって、施工状況が変わる点に注意してください。たとえば一戸建ての外壁塗装でも足場が短すぎると、施工範囲をうまく囲めないおそれがあります。長すぎると敷地からはみ出し、周囲の迷惑になるかもしれません。
事業者にとって大切なのは、メインとなる施工ターゲットの設定でする一軒家やビル、マンションのような種類だけではありません。それらのなかでもメインターゲットとなるサイズを決めておきましょう。メインターゲットの決定によって、理想の寸法である足場がわかるかもしれません。
2-3.安全に施工を終えられる可能性を考えよう
足場の寸法決定では、安全性も考えてください。建築業界では、足場における労働災害を想定しなければなりません。事故が起きるとお客様への迷惑になり、今後の事業継続にも関わるおそれがあります。
足場設置個所の労働安全衛生法では、足場に関するさまざまな決まりがあります。たとえば足場の高さが2メートルを超える場合、以上の法律に従って作業床を設けなければならなりません。作業床は幅40センチメートル以上、床材間の隙間を3センチメートル以下とするなど、厳格な決まりがあります。
法律や安全性などの観点からも、足場寸法は慎重に決めてください。
3.まとめ
建物の施工業者として足場を仕入れるには、寸法の認識が大切です。とくにインチ規格とメーター規格の2種類を使う点に気をつけてください。これがわからないと、間違ったサイズの足場を買ってしまうかもしれません。
足場に関しては、労働安全衛生法で寸法が決まっています。こちらはセンチメートルやメートルで条文が定まっているのが特徴です。インチ規格で買ったものが、法律に合わなくて使えない事態も想定されます。
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