足場は、工事現場での作業を安全に行うために設置します。工事の前に約1日かけて組み立て、終了後に撤去する必要があり、かなりの重労働です。そして、足場の材料の重量は、作業員が運搬する際の負担の大きさや、配送料に影響します。
そこで今回は、足場の材料の重量と、足場が耐えられる荷重の範囲についてご説明します。しっかりとした足場を組みたいと考えている方は、ぜひとも参考にしてみてください。
1.足場の材料の重量
さっそく、足場の材料の種類や重量などを見ていきましょう。
1-1.アンチ
アンチとは、足場の床部分に敷かれる資材のことです。滑り止めの役割を果たします。その重量は、10〜16kgほどです。頑丈に作られているため、材料の中でも重たい部類に入ります。
1-2.支柱
支柱は、コマという緊結部が一定の間隔で付いている鋼管です。重量は2〜13kgほどで、サイズによって大きく差があります。
1-3.手摺、階段
手摺は重いものでも4kgほど、階段は17kg程度となっています。
1-4.ブレス
ブレスは、柱同士の間に斜めに取り付けることで、足場の耐久性を高めます。重量は2.5〜4kgほどです。
1-5.梁枠
梁枠は、足場に開口部を確保するための枠材です。重量は約20〜40kgです。
1-6.ブラケット
ブラケットは、垂直荷重を負担する、直角三角形のような形をした材料です。1.5〜2.5kgほどの重量となります。張出ブラケットの場合、3kgを少しオーバーするものもあります。
1-7.ジャッキベース
ジャッキベースは、足場の最下部で、高さ調節の役割を担います。鉄製であることが多いでしょう。重量は1〜3kgほどで、固定か自在かによって変わってきます。
1-8.アンダーベース
足場の沈下を防ぐアンダーベース(敷盤)の大きさは2.4cm×2.4cmで、厚さが25mm以上です。素材によって重量に違いがあり、樹脂が0.1kgと1番軽く、次にプラスチックの0.5g、スチールの0.8gと続きます。
上記の足場の材料の重量は、製造するメーカーや素材、サイズによって左右されるため、あくまで目安となります。近年は材料の軽量化が進んでおり、持ち運びもしやすくなったため、よりスムーズな足場設置作業の実現が可能でしょう。
2.足場の積載荷重とは
足場の強度を知るには、さまざまな計算やシミュレーションを行う必要があります。
2-1.積載荷重
積載荷重は、建築物の床に鉛直方向にかかる重さのことを指します。足場の場合、作業員などの人間荷重と、工事器具や材料などの物品荷重がかかります。そのため、足場の1スパンにどれくらいの積載荷重がかかるのかをあらかじめ予測することが重要です。
積載荷重を決めるのは、主に布板の荷重となります。布板の幅や組み合わせる枚数から、許容積載荷重を算出します。許容積載荷重を見れば、足場が耐えられる荷重の限界を読み取ることが可能です。
2-2.許容積載荷重を超える危険性
許容積載荷重を超える荷重が足場にかかった場合、足場が破損し、落下事故を引き起こす可能性があります。そうなれば、後に責任問題にも発展するため、許容積載荷重やその法律について理解し、入念に確認することが大切です。
2-3.最大積載荷重とは
最大積載荷重は、布板1枚が耐えられる重さを表している許容積載荷重に、足場の種類などの要因を加えて、1スパンに最大でどれくらいの積載荷重をかけられるかを算出したものです。工事の際は、最大積載荷重を把握する必要があり、表示が義務付けられています。
2-4.足場の種類
足場の種類によって、積載荷重に違いが出てきます。たとえば、次世代足場の場合、1スパン約150kgが平均的です。比較的許容積載荷重が少なくなっており、部分的に補強材を使用する必要性があります。単管足場の場合、積載荷重を1スパン400kg以下に抑えなければなりません。
ちなみにそれぞれの特徴としては、単管足場が鉄パイプを繋ぎ合わせたようなもので、狭いスペースでも設置が可能です。その反面、ほかの足場と比べて安全性や強度が欠ける部分があります。そして、単管足場のような従来の足場の見直しを行い、改善しながら形になったのが次世代足場です。階高が高く、広い空間で作業ができる良さがあります。また、材料が分解できるため、持ち運びの効率もUPしています。
足場の種類によって必要な材料の数量が異なり、強度と積載荷重に違いが出るので、注意しましょう。
3.まとめ
今回は、足場の材料の重量と、足場の積載荷重についてご説明しました。重量が重いものには、アンチや梁枠が挙げられます。安全を確保するためには、許容積載荷重と最大積載荷重を超えないように工事を進めなければなりません。足場の材料の重量や種類、強度が大きく関係するため、しっかりと確認をとることが大切です。足場の材料の種類や使用用途をしっかりと把握したうえで、最適な足場を組めるように必要なものをそろえていくとよいでしょう。
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